イラン、ヒジャブ法で奪われる女性の自由

フェミニズム・ナウ
Shima AbedinzadeによるPixabayからの画像
イスラム教徒の女性が着用するスカーフやヴェールには種類があり、それぞれ呼び名が違います。詳しくは補足記事「ムスリマの正装 - ヒジャブ、ニカブ、ブルカとは」をご覧ください。

2022年8月15日に、イランで「Hijab and Chastity Law」という法律が発布されました。この法律により、ヒジャブを着用していない写真をソーシャルメディアに投稿した女性は、半年から一年間、公共の施設や交通機関を使うなどの社会的権利が剥奪されることになります。

イランは中東に位置し、イスラム教に則った厳格な社会的慣習を持つことで知られています。そのひとつとして、女性はヒジャブと呼ばれるスカーフで頭髪部を隠さなくてはいけません。1979年のイラン革命以降、9歳以上の婦女子は公の場でのヒジャブ着用が義務化されています。

女性に対する厳格な服装規定は、国際社会から人権侵害として非難されていると同時に、イラン国内からも反発の声が上がっています。しかし違反者に対する取り締まりは厳しく、公共の場でヒジャブを脱ぐ抗議動画をSNSに投稿した女性は逮捕・拘束され、テレビでの謝罪を強制されられるなどの罰を課せられています。

こういった摘発を可能にするのが、イラン政府が推進している国民の管理制度です。イランでは2015年から身分証を生体認証機能付きのIDカードへ移行。IDカードには個人の虹彩、指紋、顔認証機能が含まれており、認証データは政府によって管理・保有されています。

また、イラン政府は服装規定違反の取り締まりを目的として、公共交通機関で顔認証システムの導入を検討していることを発表しています。政府による個人の特定はリアル、インターネットを問いません。

物価上昇率が50%に届こうとしているイラン。深刻な経済危機の最中、女性が国をあげた弾圧の的になっています。

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