ケニア 生理の貧困と「ピリオド・シェイミング」 

ケニアの女性議員がズボンに赤いシミをつけた姿で上院議会に出席し、ドレスコードに違反するとして途中退場を求められました。

あたかも経血が染み出たような姿で議事堂から出てきたのはケニアのグロリア・オルウォバ(Gloria Orwoba)上院議員。貧困層に対する生理用品の支給を呼びかける大胆な行動に対し、賞賛と同時に「不快」「気持ち悪い」といった非難の声があがりました。

ケニアは生理の貧困が顕著な国のひとつです。現在、ケニアで生理用品を買うことができる女性の割合は都市部で65%、地方で46%と公表されています。2004年にケニア政府は生理用品を非課税化、2017年には学校で生理用品の支給を始めましたが、政府の財源不足および調達業者との癒着により十分な提供がなされていません。

政治的・経済的事情に加えて問題となるのが、生理を恥とする社会文化です。英語で「ピリオド・シェイミング」(period shaming)と呼ばれる生理への偏見や蔑視は世界各国で散見され、からかったり、部屋を隔離したりするなど様々なケースがあります。ケニアでは14歳の女の子が学校で教師から経血を汚いと言われ自殺をしたことが2019年に報道されています。

オルウォバ上院議員の行動に対する周囲の感情的な反応は、生理そのものへの否定的感情と結びつくと言えるでしょう。生理を取り巻く問題を解決するには男性が生理について話すこと、理解を深めることが重要だとオルウォバ上院議員は述べています。

本件について議会で激しく議論される様子がケニアのニュースメディアで紹介されていますので、気になる方は観てみてください。

Kenya Digital News公式Youtubeチャンネルより
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