デリー高裁 3歳児強姦で終身刑の男を釈放

RhiannonによるPixabayからの画像

今週月曜日、インド・デリー高等裁判所は、終身刑で22年以上収監されていた男を早期釈放する判断を下した。男が3歳児を強姦した罪で服役してから、早期釈放の申請が10回却下された後の決定である。

男が罪を犯したのは当時22歳の2003年。2005年にインド刑法に基づき終身刑の判決を受けて以降、刑務所内での男の態度は模範的であった。2010年、男は量刑審議委員会(SRB:Sentence Review Board)に対し減刑を申請を提出するが、委員会は犯罪の重大性および被害者の家族の心情を考慮して申請を却下した。その後も男は同様の申請を繰り返すものの、全て却下されている。

2017年、男は半開放型刑務所へ移動する。収容中、仮釈放3回、一時帰宅22回を許され、2018年には刑務所内でヨガ講師の資格を得た。コロナウイルスが蔓延した2020年に仮釈放された際はリキシャ運転手として働き、その間、法に触れる行為は一切なかったという。

一方、被害を受けた児童がどうなったのか、どうしているのかを報じるメディアはない(※)。

デリー収監規則(DPR:Delhi Prison Rules)によると、終身刑を受けた男性受刑者は全て、10年以上服役した後に早期釈放を申請することができる(ただし死刑に相当する罪を犯した者ならびに死刑から終身刑に減刑された者を除く)。男は量刑審議委員会から10回の申請却下を受けた後、自らの量刑に法律が正しく適用されていないとして、デリー高等裁判所に早期釈放を訴えた。

男の訴えに対しデリー高等裁判所は、犯罪の重大性はそれ自体で減刑を拒否する理由にならないとし、犯した行為の性質によって受刑者の量刑を判断することは違憲であるとした。

裁判官は以下のように述べる。

「量刑審議委員会の対応は事務的、独断的かつ非合理的と言える。(今回の判決は)減刑を認め早期釈放を行う適切な事案であり、個人と社会の福祉的な均整を保とうとするものである。犯罪の重大性に基づく受刑者の継続的な収容は矯正を否定し、更生の可能性を妨げる恐れがある」

20年以上の収容期間において、男の態度は極めて勤勉で、社会に復帰したいという強い意志があり、刑務所内でも社会においても規律を乱すような行いはなかった。しかし過去に犯した罪は重い。個人の人生と社会全体を秤にかけていいものなのか。疑問が残る。

補足

※当該事件が起きた2003年はデリーでのスイス人外交官の誘拐・強姦、警備員による女子大生の集団強姦、証拠不十分により約20年後に容疑者逮捕に至ったカルカタの集団強姦事件など人目を引く事件が相次いだ。英語メディアではスイス人外交官の事件を報道する動きが目立ち、その他の事件はおそらくヒンディー語の地元メディアで報道されているか、報道すらされていない。被害者の年齢で言えば10ヶ月や18ヶ月の幼児が暴行の対象となった事件もある。なお、インド国内で強姦事件に対し大々的に抗議が起こり、国際的に注目を集めるようになったのは2012年のデリー集団強姦致死事件だ。

出典

https://theprint.in/judiciary/hc-frees-man-who-raped-3-yr-old-says-gravity-of-offence-cant-be-sole-ground-for-denying-early-release/2899932/

https://indianexpress.com/article/legal-news/delhi-high-court-premature-release-life-convict-22-years-10623785

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