【考察】RRRのヴェンカタがババと呼ばれる理由

弾丸を見つめるRRRのヴェンカタ

こんにちは、まとんマサラです。前回のブログ「RRRのペッダイヤって何者」「RRRの坊やは名無しなのか」で、テルグ語における伯父さんと弟の呼び方について書きました。今回は、それ以外の続柄について書きます。

映画に出てきた主な言葉は以下の通りです。

baba(父さん)

amma(母さん)

babai(おじさん)

テルグ語には父親を指す言葉が二種類あります。nanna と baba です。このうち映画で用いられていたのは baba。前者が父親を指すのに対し、後者は父親的存在という概念的な意味も含みます。映画では、実の息子であるラーマ以外にも、シータや、実弾をブチ込みたくて血が騒いでいる村人などがヴェンカタ父さんを baba と呼んでいました(字幕では「師匠」という妙訳)。自分を教え導いてくれる人物に対する尊敬の意を込めていると推測されます。ヴェンカタは村のリーダー的存在として描かれていたので、コミュニティにおける家父長的な立場なのでしょう。ちなみに、手から謎の粉を出しことで知られたサイババの「ババ」もこの baba です。

amma は特に説明不要ですね。コムラムビームの歌にも「♪アンマ〜」という歌詞がありました(詳しくは「RRR ビームの歌 Komram Bheemdo のカタカナ歌詞」)。

babai は母親の姉または妹の夫を指します。つまり、ヴェンカテスワルルおじさんはラーマの義理のおじ。英語で言えば uncle-in-law。S.S.ラージャマウリ監督の前作「バーフバリ」を観た人はあれ?と思ったかもしれません。アマレンドラはカッタッパを「mama」と呼んでいるじゃないかと。テルグ語の mama は母親の兄。カッタッパはおそらくシヴァガミより年長、血縁はないにせよ実の家族のように慕っているという意味で mama を使っているのでしょう。簡単に言うと babai は血縁なし、mama は血縁ありの「おじさん」ですが、アマレンドラとカッタッパのような例外もあるようです。

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