中国フェミニズムの余波 #MeTooとセンサーシップ

中国に住む27歳の女性が性被害をSNSで告白、オンライン上で拡散され国営メディアでも報道されました。

女性は当時16歳。鄭州大学に所属する教授から精神・身体的な暴力を受け、妊娠と中絶を経験したと書いています。

投稿には3億回以上の閲覧と数万件のコメントが寄せられ、大半は同情的であったものの否定的な内容もありました。出来事から10年以上経ってからの告白について、女性は相手を罰したいのではなく、ただ人に聞いてほしかったとコメントを加えています。

本件を受けて大学側は声明を発表。職権を用いた暴力行為に厳しい措置を取る姿勢を示し、特別調査部会を開いたとを伝えています。当該の教授は一時停職中でコメントは出していません。

中国では文化・教育関連の著名人による性暴力の告発が相次いでいます。4月には有名脚本家から言葉と身体による暴力を受けたとして、現在までに11人の女性が訴え出ています。また、北京に拠点を置く独立系出版社の創設者による女性社員への暴行未遂も明らかになっています。この出版社は国外のフェミニズム作品を中国語に翻訳出版していることで中国のフェミニスト界隈から高い支持を受けていました。

過去にも同様の告発はあり、いくつかは有罪判決が下っています。こうした事例が明るみに出たことと、日本を含む国外のフェミニズム関連書籍が中国語に翻訳されてきたことで、中国でも「#MeToo」の運動が広まっています。しかし当局の厳しい検閲と取締りによってジャーナリストや活動家は逮捕・拘束されています。

複数の国営メディアが今回の一件を報道しているのの、内容は加害者が在籍する大学の声明に触れているだけで、被害の内容や詳細は報道されていないと英国紙 The Guardian は伝えています。

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