トップになんか立ちたくない!女性のリーダーシップと現実

今年9月、英国の新しい首相に リズ・トラス(Liz Truss)氏が就任し、英国史上3人目の女性首相として注目を集めました。「鉄の女」として知られたマーガレット・サッチャーから30余年、リベラル派の新リーダーに期待と関心が寄せられています。(※この記事は2022年10月16日に書いたものです。同月20日トラス氏は辞任を発表しています

現在、世界には30人の女性リーダーがいます。女性を国家や政府のリーダーとする国は28カ国、全世界のおよそ14%です。女性の社会進出は年々勢いを増し、女性リーダーは増えています。しかしながら、英国の機関が9歳から18歳の女の子を対象に行った調査では、女性リーダーはなりたい職業の最下位でした。

リーダーになった女性が嫌がらせを受けることは誰の目にも明らかです。ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相には4ヶ月にわたり88通の殺害予告。フィンランドのサンナ・マリン(Sanna Marin)首相にはSNSでの動画流出・拡散による誹謗中傷。さらに、英国のジェス・フィリップ(Jess Phillips)議員には暴行を示唆するツイートが一晩で600件以上。

女性の社会進出は「男はこうあるべき」「女はこうあるべき」という固定概念を根本から覆していくことでもあります。男性中心社会に女性が参入し、それまで男性が担ってきた役割を女性が行うことに無意識のうちでも危機を感じ、排他的感情を抱く人は少なくありません。特に、公的な職務に就く女性は露出が多く誹謗中傷の的にされがちです。

女性リーダーに対するG7参加国の考え方を示すレイキャビク・インデックス(Reykjavik Index)によると、女性がリーダーシップを持つことには未だ根強い偏見があるといいます。2019年以降、全体の指数に改善はありません。子どもたちが大人になるまでの間に、この状況を変えられるでしょうか。

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