インドのカースト制度 ラジャスタン州に残る慣習

インドのラジャスタン

インドのラジャスタンという地域をご存知でしょうか。西はパキスタンに隣接するインド北西部の州ラジャスタンは、かつて多くの古代王朝が栄えた都です。王に仕えた職人たちの伝統は現在も残り、州都ジャイプールでは宝石や青陶器などの手工業が盛んに行われています。

旧市街と城壁が並ぶ観光地として知られるラジャスタンですが、カースト制度の影響が色濃く残る保守的な生活習慣を持つことでも知られています。1947年にインドが独立して以来カースト制度による差別は違憲とされているにもかかわらず、農村部ではカースト議会(caste panchayats)なるものが存在します。

カースト議会は村民の婚姻や相続といった家族問題を取り仕切るほか、一部では村民間での借金問題にも関与していることが明らかになっています。家族が病気になって医療費が必要な時などに、インドの農村部では村民同士で金銭の貸し借りをします。その際に抵当、いわゆる借金のカタとなるのが借主の娘です。借主が返済できない場合には、貸主がカースト議会に申し立て、議会が貸主に代わり娘を連れ去って人身売買業者へ売り渡します。

借金の額によっては娘が複数人連れ去られることもあり、インド国内の人権団体による報告では、借金のため12歳の子どもが売られた件や、女性が複数回にわたって売買され望まぬ妊娠を繰り返した件なども報告されています。人権団体からの要求を受け、ラジャスタン州政府はカースト議会の関与について調査を進めているとのこと。

今までにもカースト議会は旧来の慣習に基づいた処罰や差別を行うことで知られてきました。カースト制度が廃止されても、ラジャスタン州の一部をはじめとした地方では未だに権力が残っています。

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