パキスタンで女性専用バスの運行はじまる

パキスタン南西部スィンド州(州都・カラチ)で、2月1日から女性専用バスの運行が始まりました。ピンクバスと呼ばれる車体には約50名が収容可能で、通勤・通学の時間帯には女性運転手が乗車するとのこと。

公共交通機関での女性に対するハラスメントは日常化しており、男性から身体に触られる、凝視される、卑猥な言葉をかけられるなどの声は後を絶ちません。手続きの煩雑さから、被害を受けた女性の多くが警察などに報告するのを諦めているが現状です。

現在、公共交通機関に女性専用車両を導入している国はイラン、インド、エジプト、ブラジル、メキシコ、日本などがあります。パキスタンでは2012年に行政と民間の合同で女性専用車が誕生しましたが、政府が資金提供を打ち切り発足から2年後に廃止。その後は一般車両の一部を女性専用とする対策が取られましたが、乗降時の被害を防ぐことはできませんでした。

公共交通機関の安全性は女性の就業率に関わるとラホール大学の Hadia Majid 准教授は指摘します。パキスタンでは女性の就業率が20.6%と極めて低い状態にあります。パキスタンでの移動手段は未だ限られており、公共交通機関を利用することへの不安が女性の行動範囲を狭めていると言えます。

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